100年住宅に必要なのは、100年以上もつ基礎づくり

日本の基礎は30年で寿命?

日本の一般的な住宅の寿命は30 年とされています。なぜでしょうか? 寿命が短い主原因のひとつに基礎の構造があります。 一般的な住宅の基礎はおよそ30 年で寿命となるような設計および施工がなされています。住宅を100 年以上使いたいと考えた場合、設計時にいくつかのポイントを変更する必要があります。

鉄筋コンクリートの寿命

基礎は鉄筋とコンクリートでつくられています。鉄筋コンクリートの寿命とは、鉄筋が錆びるまでの期間を指します。コンクリートはアルカリ性なので、コンクリートが中性化するまでは中の鉄筋は錆びません。つまり、コンクリートの中性化を抑える事で鉄筋コンクリートの寿命を延ばすことができるのです。

方法としては、主に4つあります。

  1. 1.密度を高める
  2. 2.厚みを増す
  3. 3.正しく施工
  4. 4.表面をコーティング

低燃費住宅ではこの4つを全て標準施工する事で、基礎の寿命を300年以上に高めています。

1. 密度を高める

呼び強度30KN・水セメント比50%未満の高密度・高強度コンクリートを標準で使用しています。( 一般的には2 1KN・水セ比60%)

コンクリ強度水セメント比耐久年数
18KN65%30年
24KN60%45年
27KN55%60年
30KN50%100年

2. 厚みを増す

鉄筋のかぶり厚を4cm以上と一般的な住宅より30%向上させています。

かぶり厚耐久性向上
3cm0%
4cm30%
5cm60%

3. 正しく施工

コンクリートは初期の養生期間をしっかり取らないと密度・強度が大きく低下します。特に最初の1週間は乾燥させないことが 必要となります。コンクリート打設後「湛水(たんすい)養生」などの基礎養生を行う必要があります。

日平均気温養生日数
15度以上5日
10度以上7日
5度以上9日

4. 表面をコーティング

型枠解体後に「浸透性無機質反応型改良剤」という特殊なコーティング剤で、基礎をコーティングします。元々は高速道路や高架橋、塩害の激しいテトラポット等に採用されている特殊技術です。

基礎写真01
1379年建設の建物1379年に建てられています。